高野山

和歌山のホテルは和歌山駅からは離れていたが、駅まで歩いてみた。寒い朝だった。
JR和歌山線で橋本に向かう。かなりローカルな感じの路線で時間がかかるようだ。ちなみに帰り分の切符の路線からははずれてしまうので、別に切符を買う。スイカでいいかとも思ったが、和歌山線の駅は自動改札自体が入ってなくて使えなさそうだった。(橋本は大丈夫だったかもしれないが。)
あまり気にしていなかったが、この路線は紀の川に沿っていて、さらに上流に遡れば吉野である。霊場が川でつながっているわけだ。

橋本で南海に乗り換える。南海高野線極楽橋へ。さらに高野山ケーブル高野山口という道のり。ホームの券売所でケーブルまで通しの切符を買う。

南海電車の車窓からは山の斜面一面の柿の木が目立つ。富有柿の産地らしい。

電車はずいぶんと山深いところに登って行く。印象としては箱根の登山電車に近い。
極楽橋でケーブルに乗り換え。外人の人が歩いてるのを見かけて、さすが外人に人気の高野山、などと思ってしまう。

ケーブルを降りてもまだまだ高野山ではない。ここからバスの1日乗車券を買って、まずは奥の院に向かう。
山道を抜けると「山上の街」に出る。ここが宗教都市、高野山か。
奥の院前でバスを降りると、既に参詣の人がずいぶん歩いている。杉林の中の参道沿いに延々お墓が立ち並ぶ。

お墓の前に鳥居が立つ。
神仏習合の歴史からすれば不思議はないのだろうが、あまり見ない眺めだ。廃仏毀釈もくぐり抜けたということだろう。
奥の院はお大師様、弘法大師のお墓だが、そこに至る参道沿いには織田信長豊臣秀吉を始めとした有名人のお墓が立ち並ぶ。伊達政宗の墓もあるはずだが、見逃した。この人たちは本来の墓が別にあるはずだが、なぜ高野山に集められているのかは謎だ。
それにしても寒い日で、身にしみる。高野山とは寒いところだ。奥の院の入り口、一の橋前の食堂でお昼にする。
高野山だから精進料理みたいなものしか食べられないのかと思いきや、普通にカツカレーなんかが出て来る。(まあ、当たり前か)
ちょっと戻って苅萱堂。

バス待ちの時間にちょっと中を見物。苅萱童子と石堂丸の話は名前しか知らなかったが、中の回廊に紙芝居ふうに絵解きしてあった。そんな話だったのか。。
バスに乗って金剛峯寺へ。

屋根の上に何か乗っているのが気になるが、高野山というのは火事が多いところで(寒いから火の気がないとやっとれん、ということ?)、この金剛峯寺も何度も焼失しているのだそうだ。火事をまず消し止めるために屋根に水の入った桶が乗っているんだとか。現実にこの程度でどれほど効果があるかは疑問ながら。大事な仏像、ご本尊は坊さんたちが背負って運び出したらしい。
またバスに乗って大門へ。

朱塗りの豪快な山門だ。昔は麓から山道を登ってきて、ここが聖地高野山の入り口だったのだろう。
時期なので、逆に紅葉を愛でながら山道を下りていく人がちらほら。

町の中も紅葉のきれいなところがあった。普通に町なので、小学生がいたり、「住民」のお坊さんに行き違う。
化粧品屋さんもあって、セクシーな女性のポスターなんかも貼ってあったりするが、修行の妨げにはならないのだろうか?

これも朱塗りきらびやかな壇上伽藍の根本大塔。仏塔なのでもう一つあるが、そちらはもうちょっと地味。すでに午後も遅く、寒さが身にしみる。
この後、霊宝館を見学。屋内なら寒くないかと思いきや、これがまた底冷えのする寒さ。見学も早々に切り上げることに。
最後に名物のくるみ豆腐を買いに奥まった店を訪ねると、本日分は既に売り切れ。宅配便で送ってもらう。(そのほうが荷物にならずちょうど良かった。)

バス停前の薬屋さん。さすが高野山という感じのあやしげさが漂うが、タイシー胃腸薬は九州の会社が作っているらしい。

こちらはその隣。さらにミステリアスだ。いったい何を売っているのか。そもそも営業しているのか。
(まったく同じところを写真に撮ってブログに上げてる人がいて笑った。)
ここからバス、ケーブル、電車、電車を乗り継いで、大阪なんばへ。
ホテルはミナミの繁華街(というより飲み屋街)のど真ん中だった。場所はともかく、値段の割にはきれいで設備も良かった。
夕食は近くの「がんこ」へ。いろいろ散々頼んだら意外に高かった。これぞ食い倒れ?