熊野速玉大社

勝浦のホテルはちょっと裏ぶれた風情ではあるが、値段が安いのと温泉大浴場があるので悪くはなかった。
この日は朝から雨。まあ予報通り。
JRで新宮へ移動。これで周遊区間のJRは制覇。(別にそういう目的ではないが。)

駅前の観光案内所に行くと、熊野新宮までの道など親切に教えてくれた。本降りの雨だが、15分ぐらいですよ、と言われ傘をさして歩いていく。

参道の途中に「熊野詣 奉八度の碑」が立っている。南部藩八戸領の人が八度熊野詣でを果たして奉納したものらしく、重要文化財となっている。ここまできて八戸という文字を見ると、妙に親近感が湧く。東北には確かに熊野神社がたくさんあり、熊野信仰がひろまっていたのだろう。蔵王の最高峰も祭神は熊野権現である。

本殿は社殿の大きさよりも玉砂利をしいた前庭の広さが目立つ。周囲を囲む木々の古びて神さびた雰囲気が良い。
新宮は熊野川の河口に開けた町だが、川との間に小高い山がそびえ、この速玉大社はその山に寄り添う位置にある。
この山の続きに神倉神社というのもあり、巨岩が磐座となっているようだ。こちらが本来のご神体ではないかと思われるが、雨でちょっとそこまでは行けなかった。

境内の脇には「川原家横丁」があった。川原家というのはかつて熊野川の川原に並んでいた家で、増水の時には簡単に分解して家ごと避難できる構造だったらしい。現在はそうした川原に建つ家はなくなったが、その家並みを再現してみやげ物屋などになっているようだ。時間が早いので、開いていたのは一軒だけ。オープンな感じで雨の日には落ち着かないのでパス。
しかし本降りの雨で傘をさしていても濡れてくる。気温も昨日よりぐっと下がったようで、耐えられず、アーケードのある商店街に戻って開いている喫茶店に入る。

アーケード街で「きしゅう君」を発見。他にもパンダのキャラクターは至るところで目にする。それにしても警察のキャラクターが「イヌ」というのは当事者はどう思っているのだろうか。
もう一度大社に行ってヨメが牛王法印を購入。三山でここのが一番かわいい、のだそうだ。

駅に戻って、本宮へのバスを待つ。熊野古道、こんなダジャレも言いたくなるか。