フェルメール展

早朝の新幹線で上野に直行、開場前に既に行列が出来ていた。やはりフェルメールの人気というのは大層なもの。
それでもまあ早く来た甲斐はあって、開場後時間がたつほどどんどん人が増えていて、見終わって出る頃には入場待ちの行列が大変なことになっていた。
1点来るだけでも人を呼べるフェルメールだが、今回はなんと7点。
でも7点も来ると逆にありがた味が薄れる感じがしないでもない。
「小路」はその中で好きな絵だが、やはりちょっと印象が薄くなってしまった。
リュート調弦する女」あたりが、一番フェルメール調が感じられるか。ただ全体に暗い印象ではある。
「ヴァージナルの前の若い女」も印象的だが、これが驚くほど小さい絵である。今回もっと大きな絵も展示されていたが、どうもフェルメールの場合、小さい絵のほうが「らしい」感じがする。
この展覧会ではフェルメールだけではなく、同時代のデルフトの画家の絵もたくさん展示されていた。
デ・ホーホは典型的なオランダ風俗画で、現代ではある意味フェルメールの引き立て役にされてしまっている。それに対してファブリティウスはまったく違う作風で面白かった。超広角レンズか魚眼レンズで写したような、極端に遠近感を強調した絵があり目をひいた。前景に配した人物に対して後方の建物が矮小化されている不思議な構図になっている。また居眠りする兵士を描いた絵は望遠レンズで切り取ったような印象。何点かのレンブラント風?の肖像画を含めて、何かさめた視線というか現代的あるいは写真的。同時代の画家といってもこれだけ人によって違うのが面白い。