いわてへ

連休、岩手に行ってきた。
まずは浄法寺へ。
浄法寺塗が有名だが、名所としてはむしろ天台寺のほうらしい。
瀬戸内寂聴さんが以前住職をされていたそうで、今も寂聴の名前で村おこし的雰囲気が感じられる。
漆塗りの観光施設からすぐだと思って参道を歩いて行ったら、結構な山寺で雰囲気は良かったが案外疲れた。
下りてきて蕎麦やで昼飯。普通の蕎麦定食でこれはお値打ちだったが、蕎麦粉冷麺がイチオシメニューらしかった。

浄法寺塗もいいのは結構なお値段。買わずに七時雨山へ移動。
2時頃から七時雨山を登りだす。登り1時間ちょっとの小山と踏んでいたが、急坂もありなかなかの山登り。
くもり空だったが、山頂に着いた時にはガスの中。早々に下山。
この日は「七時雨山荘」に宿泊。他に泊まり客はいなかった。
外観は昔の小学校みたいだが、中は思ったよりこぎれいで良い雰囲気。
風呂は冷泉をボイラーの蒸気で加温している。浴槽内に蒸気のバルブがあり、ぬるい時は自分でバルブ開けて下さいとのこと。
他に誰もいないので、ゆうゆうと入浴。


翌朝は霧の中。
朝食の後、盛岡へ。雨が降り出した。
途中、沼宮内の道の駅に立ち寄るが、大変な人出。昨日の浄法寺や七時雨にはほとんど人がいなかったので、ちょっと驚き。
昼近くになったので、盛岡を通り越して矢巾へ。お目当ては「拉麺 太扱(タイヂ)」。
矢巾駅のほんとに目の前だったが、あまりに地味な外観でちょっとわかりづらい。風除室の中にのれんがかかっている。
「中華そば 煮干し」を食べたが、印象はもう一つ。スープの醤油色が濃いのと、特徴の極太メンマがしょっぱいのが僕には合わなかった。チャーシューはうまい。ヨメサンの「香油ラーメン」はスープも別でうまかったそうだ。
盛岡に戻ると雨も上がってきた。
紺屋町でアンティーク市をやってるということだったが、雨模様のせいかほとんど人がいない。周辺をぶらぶらし、擬宝珠のある上の橋の近くでコーヒーを飲む。(喫茶店ではなくアートギャラリーだったようで、店内で写真を撮ろうとして注意された。ふん)
晴れてきたのでさらに鬼の手形(三ツ石)や石割り桜を見物。
盛岡は城の石垣も含めて、巨大花崗岩が多い。
夕顔瀬橋そばの夕顔瀬旅館へ。
最初普通のホテルを探していたのだが、どこも満室。何かあるのかと思っていたら、岩手大学物理学会をやっているせいのようだった。
夕方近くの材木町、光原社へ。
ここへは何度か来ているのだが、宮沢賢治の「注文の多い料理店」を最初に出版して大赤字になったのが光原社、ということを初めて知った。昔の人の心意気を感じる話である。今の繁盛で元は取った感じだが。

夕顔瀬旅館は上品なおばあちゃんがやっている古い旅館。部屋の床が若干傾いている気がしたが、ご飯はおいしかった。

ヨメサンの体調がイマイチなので早めに帰ることに。
旅館を出てまず岩手大学の構内にある旧農学校の建物の見学。大学なので車で乗り入れるのも気が引けたが、入っても大丈夫だったかも。建物内部の見学は時間が早くて出来なかった。
次に岩山にある旧橋本美術館へ。
昔来た思い出のある場所だが、橋本美術館は閉館してしまったのだとか。現在は韓国の漆作家による漆芸美術館となっている。それはそれで篤志なことだが、やはり昔の美術館がちょっと懐かしい。
街に戻って、中華そば「中河」へ。
向かいの酒造メーカーの駐車場に数台分停められる。平日にもかかわらず、なかなかの繁盛。メニューは中華そばのみ、なので特に注文しなくても座れば出てくるようだが、一人で二杯とか頼む人がいる。何やら太助の牛たんを思わせる。
あっさりながら味のあるスープ、麺は極細めん。昨日のタイジよりは好みで、繁盛振りも納得だが、確かに二杯頼みたくなるのも理解できるあっさり加減。

結局岩手まで麺食いに行ったような連休だったか。