日光月光菩薩

薬師寺の薬師三尊、その脇侍の日光菩薩月光菩薩立像が国立博物館で展示されている。
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=5129
薬師寺展ということでその他にも国宝がいろいろあった。
日光月光の前に聖観音菩薩立像(これも国宝)が出てくる。端正で美しい仏像だ。
これと次の日光月光菩薩の間で通路が一段高いところに上がるようになっている。そのおかげでかなり背の高い像に並ぶような高さから眺めることが出来る。おそらく薬師寺に収められている状態では見ることの出来ない角度から見られる。
さてそこからいよいよ日光菩薩月光菩薩に対面。
聖観音菩薩立像に比べて一段とでかい。いや背が高い。しかし全体のプロポーションを見ると下半身に比べて上半身がだいぶ大きいように感じる。これはミケランジェロダビデと同じ手法か?
像の足元のレベルに下りて下から見上げる角度になると不自然さは感じなくなるので、実際そういうことかもしれない。
日光菩薩月光菩薩の印象だが、TV番組では日光菩薩は男性的な力強さ、月光菩薩は女性的な柔らかさと紹介されていたが、う〜んあんまり違いがわからないな。左右対称相似形という印象のほうが強い。表情も月光菩薩が特に女性的というよりは双方とも見る角度によって男性的な印象だったり女性的にふくよかだったりするようだ。
いずれにしてもまずその大きさに往時の人は圧倒されたのではないかと思う。これを一体で鋳造するのは現代でもなかなか大変なのでは。
余談だが太陽と月、陰陽対立は普遍的な概念。日本人は好きだよね。
長嶋と野村(野村本人がひまわりと月見草と自虐的に語ったそうだ)、あるいは長嶋と王もそうか(世界の王も長嶋の前では月の役回りだったかも)。大鵬柏戸う〜んちょっと違うかな。松田聖子中森明菜(これが書きたかっただけか)。松田聖子中森明菜は年も3年ぐらい違うし、全盛期もずれているから実際にライバルとか対立概念として成立するのか疑問ではあるが、キャラクターとしては確かに陽と陰か。
全く国宝を見て何を考えているかわからんな。光背のない背中を見る機会はもうないだろうから良い機会ではあった。でも仏像はやはりお寺で見たほうがいい。現代的な意味で単なる美術品ととらえるのはまちがいかもしれない。