カメラその2

で今日写真工業を買ってきた。
それとは関係ないがカメラのレンズは必ずしも人間の視覚を再現していないなあと考えている。カメラのレンズはたとえば複写のような条件で全面に置いた四角い新聞紙の像を正しく四角に結ぶように出来ている。しかし丸い網膜に像を結ぶ眼球の像は四角の像にはなっていないだろうと思う。魚眼レンズも像面は平面だから眼球とはまた違うだろうと思う。
広角レンズの画像は幾何学的には正確であっても人間の視覚とはやはり違う世界が見えている。最近それを顕著に感じたのはテレビ画像でカメラをぐるっと振ったシーン。カメラを振ることで建物の同じ部分の大きさが拡大されたり小さくなったりかなり大きく動く。テレビや映画ではもう見なれてしまっているので、そういうものとして認識しているが、考えてみると人間の視覚でこのような動き・見え方をすることはない。言い換えるとパノラマを撮影しようとしてカメラの向きを変えて2枚繋がる写真を取ろうとする。ぎりぎりに取ると画像は大きさや線の向きがずれてうまく繋がらない。正確につながるパノラマを取るにはPCニッコールのようなシフトレンズで平行に動かすしかない。これはフジのTXシリーズでやっているのと同じことである。イメージサークルの大きなレンズで撮影しているわけだ。普通のカメラでパノラマを撮るには振り角を小刻みにして、重なりを大きく取ればいいのだが、これはずれが目立ちにくくなるだけで、完全につながるわけではない。
球面の撮像素子とそれに合わせた光学設計のレンズを作れば、違う世界が見えるのではなかろうか。ただそうするとディスプレイも球面にしなきゃいけないか。