談山神社

奈良随一の紅葉の名所、らしい。色付きもまあまあで、大勢の観光客やカメラマンで賑わっていた。ここは大化の改新中臣鎌足をまつる神社だが、面白いのは十三重の塔があり、どう見ても仏塔である。実際はこれが鎌足の墓ということらしい。もちろん寺だ神社だという区別がうるさくなったのは、明治維新の廃仏棄釈以来であって、それ以前の長い歴史では寺であり神社であったろうと思われる。ついでながら大化の改新といえば聞こえはいいが、要は暗殺事件によって政権を奪取したということだから、クーデターというよりもテロに近い。正当性を与えるために曽我氏は悪かったという話になっているのだろうが、以降藤原氏がとって代わったようなものだから、あんまり大義があったとは思えない。最近の皇位継承問題で万世一系云々とよく聞くが、大化の改新にせよ南北朝のごたごたにせよ色んなことがあったわけで、まあそんなに立派なもんでもなかろう。
談山神社から小さい峠を越えて、飛鳥の石舞台方面にハイキングコースが伸びているが、意外に険しい山道だった。サンダルやパンプスでは無理である(そんな人いないけど)。