セガンティーニ

今年TVで2回サンモリッツセガンティーニ美術館をやっていた。1回はNHK、1回はTV東京。サンモリッツには大作の3部作が展示されているのだそうだ。セガンティーニは1度だけミュンヘンで見たことがあるが、そこはあまりに絵が多すぎて(ノイエピナコテークとアルトピナコテークが一緒になっていた。)印象が薄かった。
TVで見たセガンティーニの山は実によい。登山家が見る山と同じ山が描かれている。山を登らない人には山などどれも似たようなものかもしれないが、山屋は写真に一部だけ写っているピークをつい同定してしまう習性が身についている。岩壁の形、ルンゼの入り方など、どの山もそれぞれの個性がある。山にあまり関心のない人が描くとどうも自分の中にある観念、類型で描いてしまうのではないだろうか。そうするとやはり嘘っぽくなってしまう。セガンティーニの山は類型で描かれたものではない。
セガンティーニ美術館のあるエンガディン地方は一度訪ねてみたい。もしその機会があれば、セガンティーニの3部作も見てみたいものだ。